水抜き、という言葉があります。
冬の時期にマイナス6℃より気温が下がる地域では、水抜きが可能な給水・給湯の配管をあらかじめしておかないとなりません。一度凍らせてしまうと春になるまで使えなくなることもあります。
嬬恋アトリエの建物は1972年築です。2010年に老朽管を一新させるため給水・給湯管を取り替えました。以前は外壁よりも外側に配管が露出していました。
外部に配管があると保温しても凍ります。そのために電熱ヒーターを巻き、冬の間は電源を入れ続けなければなりません。1m当り10W程度ですが、30mほど巻けば5000円/月ほど電気代がかさむことになります。
配管を室内側に露出することで無駄なヒーターを使わなくてもすみます。室内側は暖房しているので留守にしない限り凍る心配はありません。
留守するときは外にある不凍栓を閉めて水を止めます。あとは各水栓を開けて配管に溜まっている水を出します。水抜きしたら外部の給水管のヒーターは切ります。便器に溜まった水もしっかりと除いて不凍液を入れておきます。
シャワーホースも水を抜いておきます。
嬬恋アトリエのように設備では大変ですが、安田アトリエが設計するお客様の寒冷地の住まいには、もっと楽に水抜きができるように工夫しています。
水抜き水出しは室内側からのリモコン操作で可能にして、外に出て雪の中で作業する必要はなくしています。給水・給湯の配管は一度の操作で同時に水抜きができる不凍栓がというものあり、これを使います。
各水栓から空気を入れないとうまく抜けないので、水栓をいちいち開閉しなくてもすむように吸気弁をつけています。
凍結深度より下の土中に配管を埋めているので外に露出する配管は一切ありません。したがって電熱ヒーターも使用しないですみます。室内側は床下に配管を露出します。
給湯機も室内に設置して凍結を防止していています。
水抜きは寒冷地に住んでみてはじめて大変さがわかります。