軽井沢おもちゃ王国作業小屋

 

軽井沢おもちゃ王国という子どもの遊び場があります。群馬県嬬恋村にある、「自然と遊ぼう」をテーマにした約6万平米の遊園地。

ここの一角で、自然や山のガイドが集う「嬬恋軽井沢自然倶楽部」が、子どもを相手にクラフト、クッキング、自然探検を受け持っています。安田もここで薪割りやクラフト、虫のガイドを子どもたちにしています。とくにクラフトの材料は自然の木の実や樹木。それらを下拵えしてストックする場所として作業小屋をつくりました。

以前は小屋ではなくテントをつかっていましたが、雨がもり雪でつぶれ、新しい作業小屋が必要でした。会社には小屋を作るよう要望してきましたが、ほかの施設のメンテナンスなど予算の優先順位があり、なかなか実現できませんでした。そこで安田が図面を作成し、総支配人と話して建設にこぎつけました。そのために三社相見積もりに勝てるような圧倒的ローコストで設計しました。 

わずかな予算、今回は40万円、どうすれば可能なのか。たった5日間で整地、基礎、刻み、建て方をやって建設しました。材料は倉庫で眠っていたものを一掃しています。予算がアンダー40万円。職人はアンダー40歳の地元の優秀なチームがつくりました。アンダー40チームで仕事をする理由は、若い職人によい仕事を覚えていただくことが目的です。

 建築設計は建物の建設にかかわるだけではなく、設計以前の企画(建物をつくるかどうか)というところから、竣工後にどのように使用して維持管理するかまで影響します。さらにそこに関わった人々・コミュニティがどのような体験を持って帰るのか、次にどのように仕事をするか。そう考えて、小さい小屋を設計します。

 子どもたちと大人たちが、よりよい体験をしてくれればと願います。

 よい建築ができました。

 

名称 おもちゃ王国作業小屋
竣工 2017年
地域 群馬県嬬恋村
設計 安田滋アトリエ
施工 チームアンダー40歳
予算 アンダー40万円