佃の家

2015年4月に完成しました。 設計をはじめて2年たち、ようやく完成した小さな住まいです。 佃は江戸の下町文化の発祥の地のようなところ。 3年に一度の佃祭は有名です。 佃煮の老舗も3軒残っています。 もんじゃ焼きで名が知れている月島地区と同様に街の大通りから細い路地に入ると木造の長屋が連続します。

この敷地も三軒長屋でした。 所有権がそれぞれ異なる長屋の真ん中です。 築90年経ち、いよいよ建て直す時期に来てしまいました。 江戸時代は海だった場所です。 基礎の根伐りではドロドロの砂に貝がたくさん混じっていました。 地震で液状化現象の恐れがあり、杭で支持しなければなりません。 三階建ての各階の部屋は間口3.2m×奥行4.5m,わずか8畳ほど。 エレベーターで各階を行き来し、階段は外の螺旋階段にしました。 まるでヨットのキャビンのような緻密な設計になりました。 割り切ってトイレのドアもありません。 内装は狭くても癒されるよう杉板を貼り、床天井輻射暖冷房を設備しています。 西面の窓は緑化壁面を施し、とても上質な住まいになりました。

竣工  2015年4月 設計  安田滋アトリエ一級建築士事務所 施工  株式会社 東宏 場所  中央区佃 規模  地上3階  鉄骨造  耐火構造 延べ床面積  59.3m2  1階 台所居間  2階  寝室  3階  浴室洗面室 納戸   ホームエレベーター  鉄骨外階段 内装  杉板    外装  ALC   緑化壁面  鉄製亜鉛メッキ    かつては三軒長屋でした  金網は緑化壁面用  エレベーター  外の螺旋階段     外の螺旋階段   屋上まで行けます  1階居間   2階は寝室   3階は浴室洗面室    床下天井輻射暖冷房     床置きのエアコンを仕組みました